今秋から福祉用具サービス利用実態調査
| 今秋から福祉用具サービス利用実態調査 「第4回福祉用具における保険給付の在り方に関する検討会」再開 |
| 8月7日、2年ぶりに厚労省「第4回福祉用具における保険給付の在り方に関する検討会」(座長・田中滋慶応大学大学院教授)が再開された。今検討会で、レンタル制度の利点である状態像に応じた福祉用具サービスが提供されているか、利用者の用具への有効性や満足度はどうかなど、介護保険の福祉用具のサービス実態と利用効果を調査することが決まった。来春には調査結果をまとめ、これを踏まえて、福祉用具サービスの在り方について検討を進めることになる。 |
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| 議論に聞き入る厚労省幹部、土生振興課長(右から2人目) |
「福祉用具における保険給付の在り方に関する検討会」はこれまで、同一製品のレンタル価格が事業者によって大きな格差があるなどとして、福祉用具給付のあり方の見直しを求める社会保障審議会介護給付費分科会の06年12月の答申を受けて、07年秋に3回開催された経緯がある。 その中でレンタルの価格上限制の導入や、レンタルと購入の利用者による選択制の是非、物とサービスの価格の分離など、サービスの質と財政抑制の両面から検討されたが、委員の間で検討の前提となる福祉用具サービスの実態の捉え方に幅があり、議論を集約させることができなかった。 厚労省は、この議論をレンタル用手すり、歩行補助つえ、歩行器、スロープのレンタル4種目を販売対象に移行させる方向で当面の決着を得ようとしたが、最終段階でこの結論は凍結された。 介護給付費分科会は08年12月開催の09年度介護報酬改定に関する審議報告において、福祉用具に関する今後の進め方について、これまでの議論を価格開示と保険給付の在り方の2つの課題に集約した。前者にあたる「製品毎の貸与価格の分布状況等の把握・分析・公表や介護給付費通知による利用者への貸与価格幅の通知」については、今秋から実施されることになった。後者にあたる「福祉用具サービスの向上、貸与種目と販売種目の整理等保険給付の在り方」については、サービス実態や有効性に関する早急な調査研究を踏まえて検討し、「早急に必要な対応を行う」とした。今検討会で検討された調査研究がそれにあたる。 調査は、大きく分けて福祉用具サービス実態と利用効果の2方向から実施される。 福祉用具サービス実態調査 福祉用具サービス実態調査は、福祉用具事業者を対象にしたサービス実態調査。5事業者対象の「ケーススタディ」(アセスメントからモニタリングまでの作業状況を68事例、記録分析する)と、全国3000事業者に対する「アンケート調査」を行う。5事業者は、「調査研究WG」に参加する新和メディカル(福岡)、フランスベッド(東京)、サカイ・ヘルスケアー(東京)、カクイックスウィング(鹿児島)、ヤマシタコーポレーション(東京)。 利用効果と満足度調査 福祉用具利用者に対する「利用効果に関する評価分析」は、定点観測調査と利用者満足度調査とが行われる。定点観測調査は、調査開始月に利用開始した要支援・要介護者200人について、8月~来年2月までに計5回、利用者の生活機能や自立度が福祉用具サービス利用後にどう変化したかを調査するもの。OT養成校の学生が利用者宅に訪問面接調査。初回のみケアマネジャーが同行する。 利用者満足度調査は、福祉用具サービス利用者2000人を対象に、郵送アンケート調査により利用者および介護者の福祉用具サービスに対する満足度を調べる。 調査担当のOT学生に事前研修 検討会では、こうした調査手法について、委員からより精度の高い調査手法を用いるべきとする意見が出され、座長一任の下で一部見直しを行うとした。見直し点として、定点観測で要介護5を調査対象から外すとした当初案は撤回。また調査に当たるOT養成校学生は事前研修を強化するとともに、担当教官による掌握の徹底を図ることで調査精度を保つことになった。 厚労省老健局土生栄二振興課長は、「来年3月ないし4月以降に調査結果をまとめて、今後の議論の下敷きにしたい」と述べた。次回の医療介護の制度改定は12年4月の予定だが、福祉用具に関する制度改定については1年前倒しで11年4月からの実施も考え得るとしている。 |
情報提供:平成21年9月10日発行 シルバー産業新聞