大都市の「住まい」確保へ 厚労省 都市型ケアハウス創設/GH3ユニット是認 New!!
東京、大阪などの大都市において、来年度から厚労省は低所得高齢者を対象に家賃が低い「都市型ケアハウス(仮称)」を創設する。居室面積基準の緩和や少人数化により諸基準を緩めて、生活保護受給者が利用できる家賃水準をめざした。同じく大都市限定で、同省はグループホームの3ユニット化を是認する通知を発出した。地価が高いため施設不足が深刻な大都市部での居住系サービスの整備に向けて、地域特性に応じた居住施設の選択肢が増えることになった。 厚労省は1月15日全国厚生労働関係部局長会議において、来年度の新規事業として低所得者向けの「都市型ケアハウス(仮称)」創設を発表した。「単身の低所得者が増大しているなか、要介護度は低いものの、見守り等が必要なため居宅において生活が困難な高齢者に対応する」趣旨。昨年3月群馬県で発生した高齢者居住施設「たまゆら」火災では、東京都の区役所から紹介されて入居していた生活保護受給の高齢者10人が死亡。この事故を契機に、都と国の間で要介護の低所得者が利用できる居住施設の確保について検討が進められてきた。 創設される「都市型ケアハウス」の設置基準は明確ではないが、現行基準を大幅に緩和し、低所得者も利用できる家賃設定が可能になる。ケアハウスの現行の居室面積13畳21.6㎡(ユニット型の場合、8畳13.2㎡)をグループホーム並の4.5畳7.43㎡に大幅に緩和するともに、10人定員を認めて設備要件も緩和し家賃設定の前提となる建築費を下げる。 設置は大都市に限られる。整備費補助は市町村の地域介護・福祉空間整備等交付金(ハード交付金)に拠るが、補助額は未定。2月中にも意見募集が行われ、設置地域や設置基準などの詳細が決まる。 また厚労省は12月25日付けで、市区の判断に基づいて、グループホームの3ユニット化を認める通知も出した。緊急雇用対策の一環という位置付けで、用地確保の困難性などから都市部の実情に応じて対応を図った。設置を認める地域は租税特別措置法で規定する「既成市街地等」とこれに準ずる地域とされ、首都圏、近畿圏、中部圏の大都市部の一定区域に限定する。通知では、夜勤職員と計画作成担当者の配置の取扱基準については、特に緩和など変更はないとしている。 高齢者認知症グループホームは介護保険創設の2000年から始まり、全国で9958事業所(09年11月時点)がある。1事業所のユニット数は当初は制限がなく3ユニット設置もみられたが、06年3月に新規事業所は2ユニットまでに規制された経緯がある。1事業所の平均ユニット数はおよそ1.8ユニット。 日本認知症グループホーム協会は、「ユニット限定は規制ではなく、サービスのメリットを最大化するための合理的な要件」だとして消極的な見解をもつ。 今回の2つの取組はこれまで相部屋から個室化へ、あるいは個室の居住面積の確保へと居住空間の充実をめざすとともに、サービス事業所の小規模化を求めてきた厚労省にとって、地価の高い大都市部での限定とはいえ、方針転換ともとれる。自治体にとっては、画一的な国の基準が緩和されたことで、地域事情に合わせた多様な取り組みが可能になる幅をもたせた。
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情報提供:平成22年2月10日発行 シルバー産業新聞