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「要介護1まで保険対象外に」 経済同友会が提言(2010年7月15日号)

(社)経済同友会(東京都千代田区)は6月28日、介護保険制度の抜本的改革を訴える「2009年度社会保障改革委員会提言」を行った。財源をより効果的に使うために、要支援1・2及び要介護1については、保険対象外とすることなどを盛り込んでいる。

 この提言書では、介護保険制度については「今や高齢化社会を支えるために必要不可欠な制度になっている」としつつも、介護サービスの需要に対し施設や人材等が足りない点、サービス効率化を図る為の創意工夫やイノベーションの活用が十分でない点などを問題視し、「今後、利用者が増加し続ける中で財政やサービスの提供面での持続性を高めることが喫緊の課題である」としている。

 特徴的なのは、「財源を効果的に使い、真に必要な介護保障を確実に行うという観点から、保険対象とするサービスをより峻別し、より重度の利用者に重点的に給付すべき」という考え方を示している点だ。具体的には、過剰なサービス供給が、かえって状態の悪化を招き、自立促進に逆行する、との考えから「要支援1、2と要介護1については介護保険の対象外とするべき」としている。

 現行制度のままでは、2030年時点の介護費用は21・6兆円となることが見込まれるが、こうしたサービスの重点化を行うことで、2030年時点での介護費用は約4兆円抑制された17・7兆円になると試算される。これに加えて、自己負担比率に引き上げにより15兆円にまで抑制することが可能、と経済同友会では試算する。

 なお、現行の公費5割負担では、2020年ごろまでは必要な財源を確保できるものの、2030年時点では、消費税率に換算して約0・5%の財源不足になると考えられる。こうした点を受けて、消費税率については今後段階的に引き上げ、20107年度には年金目的消費税として10%、一般財源として7%の合計17%にする必要性がある、と提言している。

 また、今後、給付費の拡大が予想される中で、介護保険料を負担可能な水準にしていくには、給付の適正化・効率化に取り組む必要があるとしている。具体的には、要介護認定方法の見直し、介護保障においても低所得者への公的支援は生活保護制度で行うことなどを提言する。また、「給付と負担の関係の明確化」という観点から、若年世代に保険料負担を求めることはせず、被保険者・受給者の対象は現行制度を維持するべき、としている。

 さらに、介護保険財政の一層の安定化を図る為には、保険者の規模を現在の市区町村よりも拡大する必要がある、として、道州制を導入し、広域化した基礎自治体が介護保険制度の運営主体となることを提言している。(7月15日号)

 

 

情報提供: (株)高齢者住宅新聞社(2010年7月15日号)